7.リスク・リターン
不動産投資を合理的に検討し、投資成果を客観的に評価するためには、投資によるリスクとリターンを
定量的に把握することが不可欠である。
リターン
その不動産の賃貸収入から得られた純収益(インカムゲイン)とその資産価値の変動から得られた収益
(キャピタルゲイン)を合計したもの
リスク
リターンの変動性(ボラティリティ)に関連付けるのが一般的である。すなわち、収益の変動が大きい
ほどリスクも大きくなると考える。その意味でのリスクを定量的に表現する手段として、通常、標準偏差が採用される。
※標準偏差:統計学の用語で、データの散らばり具合を表す数値のこと。値が大きいほどデータの
ばらつきが大きく、値が小さいほど平均近くにまとまっていることを表す。投資に使う場合は、期待
できる投資収益、または実際の収益の平均に対して、結果がどれだけ散らばっているかを示すの
に使われる。標準偏差の値が大きければ、それだけリターンのぶれが大きい=リスクが高いとい
うことになる。
図表4 リスクとリターン
(リスクの判定)
実務的に一番簡単にリスクを判定する方法は、投資しようとしている不動産の過去の収入や
利益の実現(トラック・レコード)と、これから数年間の見通しを一覧表にしてみることである。
例)
オフィスビル投資のリターン(投資利回り)とリスク(標準偏差)
(参考)
6.DSCR
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