Ⅰ 収益性をチェックする指標

3.NPV(Net Present Value)とIRR(Internal Rate of Return)

 

 (1)DCF法(Discounted Cash Flow)とは
DCF法とは、ディスカウント・キャッシュフロー法の略称で、投資用不動産などの価格を算定する

方法であり、不動産鑑定評価でも収益価格を求める場合の収益還元法の1つの手法として位置付けられ

ている。
DCF法では、対象不動産から毎年発生するキャッシュフローを、それぞれ現在価値に割引(Discount)
、それらを合計することでその不動産の価格を算出する。

 

 

(2)現在価値に「割引く」とは
お金には時間的な価値があり、同じ額でもその受け取る時期によって価値が違う、という考え方に基づ

き、将来受け取るキャッシュフローを今現在受け取った場合の価値に直すことを「割引く」という。
例) 100万円を現在もらう場合と1年後にもらう場合の価値の比較(年利5%と仮定)


・100万円を現在もらう場合

・100万円を1年後にもらう場合

つまり、同じ100万円でももらう時期の差によって、その間の金利の分だけ価値に差がでる、というこ

とである。このことは言い換えると、1年後に100万円もらう、ということは、今95万円もらうのと同じ

価値である、ということになる。

 

(3)DCF法の計算方法

 

例) 物件Aに投資した場合の純営業収益(NOI)
(利率(割引率)5%と仮定)

 

実務では図表2のような表を使って算定
■図表2 DCF法の算定表

 

 

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