Ⅲ 都市計画

-「線引き」と「非線引き」

線引き区域

無秩序な市街化を防止し計画的な市街化を進めるため、必要に応じ都市計
画区域を区分して市街化区域と市街化調整区域を定めることができる(これを
通常「線引き」と呼んでいる)。
「市街化区域」は、既に市街地を形成している区域(既成市街地)と、今後10
年以内に優先的計画的に市街化を図るべき区域とで構成され、「市街化調整
区域」は、市街化を抑制すべき区域である(都計法第7条)。この区域区分を
基礎として、諸般の都市計画を定め、開発許可制度と併せて計画

市街化区域

(優先的かつ計画的に市街化を図る区域)
• 道路、公園、下水道等の都市基盤施設を重点的に整備するほか、土地区
  画整理事業、市街地再開発事業等の面的整備事業を実施
• 開発行為については許可が必要(「原則1,000㎡」未満の開発行為は不要)。
  ただし、三大都市圏の既成市街地、近郊整備地帯等の市街化区域におい
  ては、開発許可の規制対象規模は「原則1,000㎡」ではなく「原則500㎡」
• 農地転用許可は不要(届出のみ)

市街化調整区域

(市街化を抑制する区域)
• 都市基盤施設整備や面的整備事業は原則として行わない
• 原則として開発禁止、開発を行う場合には農林漁業用等特定の場合を除
  き許可が必要
• 農地転用に際しては許可が必要
  ※従来は、都市計画区域は原則としてこの市街化区域と市街化調整区域の
   区域区分を行うものとされていたが、平成12年の法律改正により、この区

   域区分を行うか否かは都道府県の選択にゆだねられることになった。

非線引き区域

市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。
法律上の名称は「区域区分が定められていない都市計画区域」である。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は一般に「非線引き区域」とも
呼ばれている。


1.趣旨
都計法第7条では、指定都市等では「区域区分」を必ず定めるよう規定してい
るので、「区域区分が定められていない都市計画区域」は指定都市等以外に
存在している。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は市街化の圧力が弱い地域で
あるので、土地利用に関する規制が市街化区域より緩やかであり、開発許可
の規制も緩やかである。


2.土地利用の規制について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、用途地域を定めることが
できるが、必ず用途地域を定めるわけではない。「区域区分が定められていな
い都市計画区域」の内部において用途地域が定められていない部分は「非線
引き白地地域」と呼ばれることがある。なお、この「非線引き白地地域」では用
途制限を課す目的で「特定用途制限地域」を設けることができる。


3.開発許可について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では開発許可制度が適用され
る。開発許可を受けるべき開発の面積は「3,000㎡以上」とされている。
ただし、都道府県・指定都市等の規則により、開発許可を受けるべき開発の
面積を「300平方メートル以上」にまで引き下げることが可能である(都計法施
行令第19条)。

「線引き」「非線引き」の相関図
Ⅲ都市計画

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目次
Ⅲ用途地域ⅰ

Ⅲ 用途地域 i