Ⅶ 農地の移動と転用の制限

-農地の定義

農地等(農地及び採草放牧地をいう)の権利移動、あるいは農地の転用等、農地法の規定による規制の対象を明らかにするため、農地法において「農地」「採草放牧地」について、次のように定義している。

●農地とは
「耕作の目的に供される土地」をいい(農地法2条1項。以下「法」と略す)、その土地の公簿上の地目や所有者や使用者の主観的な使用目的には関係なくその事実状態からみて、「労費を加え、肥培管理を行って、作物を栽培する土地」であるものをいい、休閑地や不耕作地等現在耕作の用に供されていなくとも、なお耕作の用に供し得ると判断されれば農地として扱われる。また、逆にたとえ耕作されていても、宅地内の家庭菜園や住宅を建築するまでの間一時耕作されている土地のように、客観的にみて農地と認められないような土地は含まれない。


●採草放牧地とは
「農地以外の土地で、主として耕作又は養蓄の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるもの」である(法2条1項)。採草放牧地であるかどうかということを、その土地の現況によって判断するのは、農地の場合と同様である。また、採草放牧地の場合はその土地の主たる機能に着目して判断することとなり、例えば、河川敷、堤防、公園等が耕作もしくは養蓄のための採草または放牧のように事実上供されていてもこれらの土地の主たる目的は採草または放牧を目的としているものではないので、採草放牧地ではない。なお、「農地」「採草放牧地」についての権利移動や転用の規制条項は次の表のとおりである。

●農地、採草放牧地についての権利移動及び転用の規制条項

農地について
●権利移動の許可      < 農地のままでの権利移動 ・・・3条
転用を目的とする権利移動 ・・・5条
●転用(権利移動を伴わないもの)の許可 ・・・4条
●採草放牧地について

●権利移動の許可      <

 

採草放牧地のままでの権利移動    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3条
転用を目的とする権利移動 < 農地に転用する場合          ・・・・ 3条
宅地その他に転用する場合・・・ 5条
●転用(権利移動を伴わなの)      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 制限なし
Ⅵ 農用地区域に含まれる農地の除外手続き

Ⅵ 農用地区域に含まれる

農地の除外手続き

目次
Ⅶ 農地転用許可制度

Ⅶ 農地転用許可制度