Ⅰ 不動産とは・・・

「不動産」とは「土地及びその定着物」である(民法第86条1項)。

不動産の定義

1.土地とは
土地とは「地表を境界点と境界線で区分したその部分」である
と定義することができる。すなわち「土地」として認識されるため
には境界点と境界線が明確であることが必要である。


1)土地の特徴
「土地」の特徴としては、地表に2次元的な面積を有するとともに
3次元的な高低差も有している。「土地」は唯一無二のものであり、

同じものは二つとない。建物の敷地として、あるいは畑や田として
使用できるなど使用上の多様性を有している。また「土地」は周
囲の土地と一緒になって一定の地域を構成し、それに属すること
によって独自の価値を形成する。隣地との併合あるいは分割も
可能。ただし、土地は埋め立てなど特殊な場合を除いて、基本的
には作り出すことは不可能である。


2)土地の価格
「土地」の価格は居住性、収益性が発揮されることによって生じ
る価値を基礎として形成される。そのためにはその土地を使用で
きることが条件となる。したがって、その土地を使用するためにそ
の土地に進入するための「道路」等との関係が最も重要な要素と
なる。

 2.定着物とは

「建物」と「立木」を指す。

 

■ 建物
「屋根があって壁で囲まれているもの」と考えて良い。したがって柱
と屋根だけで構成され、壁がないガレージなどは構築物ということに
なり、独立した不動産ではない。


 ■ 立木
ただ土地に生えている木を指すものではなく、建築材などに使うこ
とを目的として植林などがされ、「立木に関する法律」に基づいて登
記または「明認方法」を施してあり、その「立木」が取引の対象とされ
るものを言う。
対抗要件は登記または明認方法(樹皮に焼印、削って所有者名を
墨書、縄張りするなど)の実施であり、明認方法は判例により対抗要
件として認められた。
また、土地上に作られた庭や池、擁壁などは土地でも定着物でもな
く、土地に従属する一種の構造物または工作物とされる。

 

 

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Ⅱ不動産に関する権利

Ⅱ 不動産に関する権利