政府検討「年金受給開始70歳超も選択」


年金手帳、ねんきん定期便

 政府は公的年金の受け取りを始める年齢について、受給者の選択で70歳超に先送りできる制度の検討に入ったとのことです。70歳超からの受給に遅らせた方には毎月の受給額が増える制度(今も65歳より後にすれば増えますが)をさらに拡充する方針です。

 最終的には高齢社会対策会議の議論を経て、月内にも閣議決定する予定です。


現行の年金の受給開始年齢

(1)原則は65歳から受給

   年金は、受給資格期間を満たせば原則として65歳から受給できます。

   ※平成29年8月1日から25年から10年に短縮されました

(2)繰上げ受給・繰下げ受給

   年金受給開始の原則は65歳からですが、本人の希望によっては、60歳から64歳の間で受給を開始す

   る繰上げ受給や、66歳から70歳までに受給を延ばす繰下げ受給を受けることも可能です

   ①繰上げ受給

    繰上げ受給を請求できるのは、60歳に達したときから64歳時までですが、請求時の年齢によって

   年金額の減額率は異なります。繰上げ受給の減額率は、1ヵ月繰り上がるごとに0.5%ずつ減額され

   るため、「0.5%×繰り上げた月数」となり、いったん決まった減額は一生涯続きます

   ②繰下げ受給

    65歳からの年金受給を見送って、66歳から70歳までの間に受給を開始することを繰下げ受給の申

   出といいます。繰下げ受給の増額率は、1ヵ月繰り下がるごとに0.7%ずつ増額されるため、

   「0.7%×繰り下げた月数」となります。

■繰上げ受給の減額率と、繰下げ受給の増額率

繰上げ受給の減額率
繰下げ受給の増額率


今後の方針

 受給開始年齢の上限は、いまの70歳から75歳~80歳程度に引き上げることを想定していて、いまの増減率0.7%よりも高い増減率にする方針です。

 年齢の上限や増額率は、厚生労働省の社会保障審議会年金部会で議論し、2019年中に具体化し、2020年中にも関連法改正案の国会提出を目指すとのことです。

 また、高齢社会対策大綱には、ハローワークに高齢者の再就職支援の窓口を増やしたり、起業をめざす高齢者を事務手続きや融資の面で支援したりする方針も示されており、定年延長や継続雇用をする企業への助成制度の活用も明記されています。

 つまりは、高齢化の一層の進展に備え、定年延長など元気な高齢者がより働ける仕組みづくりを進めるということなのでしょう。


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