9月29日に全国の公証役場で作成された「遺言公正証書」のデータベースへの登録件数が200万件を超えたことがわかりました。
遺産相続に自分の意思を反映させようと、法的に強い効力を持つ公正証書を活用する人は増加傾向にあります。データベース化で、相続人が親などの遺言の有無を簡単に照会できるなど、利便性も高まっています。
日本公証人連合会(日公連)によると、2000年に約6万件だった遺言公正証書の作成件数は、’14年に初めて10万件を突破。’16年は約10万5千件に上り、今年も7月末時点で6万件を超えています。
遺言のデータベース登録
日本公証人連合会は遺言が残されているか、検索できるデータベース登録を1989年から進めてきました。近年の登録件数の増加に伴い、今年8月に累計200万件を突破しました。全国どこの公証役場でも無料で検索できます(※)。
遺言を残した人が遺言公正証書の存在や保管場所を知らせないまま死亡した場合に法定相続人が紹介するケースが多いです。’16年には約1万5千件の紹介があったといいます。
※平成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、日本公証人連合会において、全国的に、公正証書遺言を作成した公証
役場名、公証人名、遺言者名、作成年月日等をコンピューターで管理していますから、すぐに調べることができます。
なお、秘密保持のため、相続人等利害関係人のみが公証役場の公証人を通じて照会を依頼することができることになっ
ていますので、亡くなった方が死亡したという事実の記載があり、かつ、亡くなった方との利害関係を証明できる記載の
ある戸籍謄本と、ご自身の身分を証明するもの(運転免許証等顔写真入りの公的機関の発行したもの)を持参し、お近く
の公証役場にご相談下さい。
公正証書遺言によるリスク排除
民法で定められた相続の割合を変更したり、法定相続人以外に遺産を残したりしたい場合の有効な手段が遺言です。遺言には、主に自筆証書遺言と遺言公正証書に分けられます(秘密証書遺言は今回は除きます)。
公正証書の作成には手数料がかかりますが、裁判官や検察官を経験した公証人が依頼者の意思を法律面や形式の不備がないように書面化してくれます。自筆証書と違い、内容の不備で無効になることがないですし、原本は公証役場に保管されるため、改ざんや紛失などのリスクも排除できます。
電話無料相談
日本公証人連合会は10月1日からの7日間を「公証週間」としており、期間中は無料で電話相談を受け付けています。
●TEL:03-3502-8239
●時 間:9:30~12:00、13:00~16:00